さてさて、バレンタインデーですね。
若い頃からモテモテだった僕には、思い出がいっぱいの日です。
みなさんには、どんな思い出がありますか?
2年前のバレンタインデーが、とても思い出深いものだったので紹介させていただきます。
その頃は横浜にいまして、もうjuno姉さんとの結婚と、3月には今の病院に移籍する事が決まっていました。
ボクがいた横浜の病院は結構大きな病院でして、患者さんも多く、バレンタインデーには「みなさんで」ってたくさんのチョコをもらっていました。ただ、患者さんの年齢層なのか高級チョコが多く、もらったものはいったん受付の裏の机にまとめて集めておかなくてはいけませんでした。そして、スタッフみんなで分けるんです。
その日、ボブ君という年配のゴールデンをつれてきた患者さんがいました。
僕が担当していたその人は、とても上品な方で、いつもお孫さんも一緒に来ていました。
お孫さんはミキちゃんといい、とてもシャイな子で「こんにちわ」って挨拶すると、いつも恥ずかしそうに患者さんの後ろに隠れていたのを覚えています。
その日も「こんにちわ」と言うと、いつもの様に恥ずかしそうにしていました。
すると、
「ほらミキ、センセイに渡すんでしょ?」
「ん?なんだろ?」って思っていたら、ミキちゃんは患者さんの陰から「ハイ」って小さな声でチョコをくれたんです。
キットカットの小さなチョコを1袋。
「ありがと」って伝えても、恥ずかしいのか顔は見せてくれませんでした。
すごく嬉しかったんですが、病院の決まりでしたから、そのチョコは他のチョコと同じ様に机においておきました。でも、スタッフみんなが見ていたのか、「センセイ、これは本命だね」と女性スタッフも嬉しそうにからかってくれました。
その後、ボブ君の薬を作らなくちゃいけなかったので、僕は薬局に。
するとしばらくしてから先輩が「お前、落ち着けよ、落ち着けよ」って言ってくるんです。「なんだろ?」って思っていたら、奥から院長の声が。
「おっ珍しいな、キットカット」
「ん?んんん!!!!!」
まさかと思いながら見てみると、ミキちゃんがくれた大事なチョコを院長が食べてしまったんです。
その光景を見たスタッフがみんなボクの所にきて、
「だめだぞ、怒るな、怒るな」
「しょうがない、院長は知らなかったんだ」
なんて感じで声をかけてきました。
しょうがないんだけど、ミキちゃんに申し訳なくて。。。
ごめんね、ミキちゃん。。。
と、これがボクのバレンタインデーの思い出です。
で、この話には続きがあって、
その1ヶ月後、その患者さんにこの病院を辞めて病院を移る事と、結婚する話を伝えました。その日もいつもの様に、ミキちゃんも来ていました。
「あら、寂しいわね。でも、センセイおめでとう。ほら、ミキ。センセイ結婚するんだって、おめでとうって言いなさい」
ミキちゃんは患者さんの陰に隠れたまま、何も言ってくれません。
「あら、この子、泣いちゃってるわ(苦笑)」
ミキちゃんもしかして、センセイに恋してくれていたのかな?
ボクが結婚するに当たって、泣いてくれたのはミキちゃんだけでした。
あれから2年、患者さんからの手紙で、ミキちゃんをいつも守る様にしていたボブ君が亡くなった事を知りました。
その手紙には、ミキちゃんの事は書かれてはいませんでした。
可愛いしセンセイほんとに好かれてたんですね!
ミキちゃんがお姉さんになって再開ってなったら凄いですねぇ。
今年も沢山頂けたでしょうか?
juno姉以外なし!
まだまだ募集中ですよ!!